山陽(岡山)のおもしろいしきたり
結婚式は、一昔前までは新郎の実家や自宅で多く行われていましたが、今やホテルや式場などの利用がほとんどです。
結納には、岡山では「ノシイレ」などともいわれるおもしろいしきたりがあります。それは「流し風呂敷」といって、持参した男性方の目録の上に風呂敷(または袱紗)を掛ける習慣です。
昔は、目録の上に掛けるのは風呂敷ではなく、羽二重の白生地だったのです。これを女性が袱紗に仕立て、嫁入りの際持参したといわれています。しかし、現在では、そうした嗜みを持つ女性が少ないので、初めから出来合いの風呂敷にするようになってきたのです。
結納式の手順については特殊なものはありませんが、岡山では結納返しの品を「土産のし」あるいは「返しのし」と言っています。
男性方よりは一段控えめな品目にするのがミソのようです。内容は、「熨斗」「寿恵広」「袴料」「家内喜多留」「松魚料」で、袴料は小袖料の一割とされています。
岡山県で結納品に傘や履物、化粧品を添える風習などの珍しい風習が見られますが、その他は関西地方と似ています。また、山口県東部で行われている風習では、結納に「百飛喜(ひゃっぴき)」という金包をつけていいます。
これは、名刺に値するものだそうで、徳山では二つの紙包みにそれぞれ千円入れ、目録に「百飛喜一対」と書きます。山口地方では、結納のため男性方から行く人数分の紙包を用意し、それぞれの姓名を書き入れ、五百円ずつ入れます。
昔から、武家で盆、正月に家の使用人へ金銭(百飛喜)を与えていた風習の名残らしく、女性方の使用人にも婚約の喜びを分かち与え、共に祝ってもらうという考え方から行われたといわれていると伝えられています。
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